JR東海が導入を検討している東海道新幹線の自動運転。5月11日未明、開発中の“自動運転システム”が付いた車両で試験走行を行いました。
<滝澤悠希キャスター>
「いま、自動運転が行われる新幹線が到着しました。通常の新幹線の運行が終了する深夜帯の時間での走行の公開です」
JR東海では、2021年末から東海道新幹線の自動運転の実践的な走行試験を進めていて、初めて報道陣に公開しました。
<JR東海担当者>
「定刻となりましたので、ボタンを押して出発するような形になります」
<滝澤悠希キャスター>
「浜松駅を出発しました。静岡駅までの自動運転の旅が始まります」
走行したのは、浜松駅から静岡駅までの区間。導入を目指すのは「半自動運転」。災害時の緊急停止などに対応するため、運転士は乗車しますが、左手のブレーキを握るだけで、ハンドル操作はしません。
<滝澤悠希キャスター>
「乗車して5分ほどが経ちました。特に大きな揺れなど、違和感はないですね」
「いま、時速120kmの徐行運転です。状況によって速度の上げ下げも行われます」
災害時など速度を制限する必要がある時は自動で減速。制限が解除されると遅れた分の時間を考慮し、どれくらいの速度で走る必要があるか、0.1秒ごとに計算して、予定のダイヤに戻すそうです。
自動運転のメリットとは何なのか。JR東海が挙げたメリットは、過度な速度変化を防ぐことによる省エネ、運転士の負担の軽減。これによって業務が効率化され、車内サービスに力を入れることが可能となり、乗客はより快適に新幹線の旅を楽しめるということです。
<滝澤悠希キャスター>
「静岡駅に到着しました。到着予定時刻が0時45分でしたが、ぴったり0時45分の到着です」
<JR東海担当者>
「誤差9mm」
所定の停止位置のズレはわずか9mm。前後50cmを目標に開発してきたということなので、かなり正確な停止でした。
<JR東海 新幹線鉄道事業本部 辻村厚本部長>
「自動運転をしっかり作りあげて実現することと今後、新幹線をさらに新しい形にしていくべく技術開発に精力的に取り組む」
JR東海は2028年から順次、新幹線の自動運転を目指すとしています。一方で鉄道システムに詳しい専門家は、導入を急ぐ重要性を指摘します。
<工学院大学 高木亮教授>
「人によっては(自動運転の普及が)諸外国に比べて30年程度遅れているという人もいる。『鉄道先進国』からも、このままでは滑り落ちるかもしれないという懸念さえ持っているので、頑張らないといけないというところ」
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