JNNワシントン支局 樫元照幸 支局長
「もともと『核なき世界』を訴えたオバマ大統領の副大統領を務めたバイデンさんですので、軍縮では積極的だと見られていましたし、実際に政権を取ったときに、そういった動きが進むんじゃないかというふうな期待もありました。ただ、やはりロシアのウクライナ侵攻を受けて、なかなか理想と現実のギャップにはさまれているというのが今の状況です。むしろ今、ロシアのプーチン大統領が核の脅しをかけているような状況ですので、なかなか核についての態度を一歩引くわけにはいかないというふうな状況になっているということです」
ウクライナ侵攻が続く中での広島サミット。「核なき世界」への一歩となるのでしょうか。

JNNワシントン支局 樫元照幸 支局長
「もしロシアのウクライナ侵攻がなかったら、(今回は)かなり、これは大きな一歩になったと思います。というのも2016年にオバマ大統領が広島を訪問されて、それに続いての広島訪問は大きな意味があると思います。あのときもオバマ氏は、なかなか理想と現実の間にはさまれて、思ったことができないという苦しみの中で広島を訪問して、『核なき世界』をあらためて訴えたという形になるんですけれども、さらにバイデン大統領が、もう一歩踏み込んで『核なき世界』への道を打ち出してもらう、いい機会になるはずだったと思うんですけれども、やはりウクライナ侵攻を受けて、そこまで踏み込むような形の演説もなかなか期待できないというのが正直なところでしょうし、そういう意味では理想と現実にはさまれた、なかなか難しい訪問ということにもなると思います」

気になることがあります。アメリカ国内で債務問題をめぐる協議が与野党で平行線をたどっていて、バイデン大統領は交渉の状況によっては、サミットにオンラインで参加する可能性に言及しました。

なんとしても、この広島の地を踏んでもらいたいと思います。