帰還困難区域のうち「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」に含まれない地域の住民に対し、国と大熊町、双葉町が共同で行ったアンケート調査の結果が、公表されました。
拠点外で帰還を希望しているのは、大熊町で24%、双葉町で23%という結果になりました。

帰還困難区域については、これまで復興拠点で先行して除染などが進められ、5月にすべての拠点で、避難指示が解除されました。ただ、この復興拠点は、帰還困難区域全体のおよそ8%にすぎません。

9割以上残る拠点外について、国は住民の意向を調査し、帰還を希望する住民がいる地区について、新たに「特定帰還居住区域」を設定し、除染などを行って、避難指示を解除する方針で、関連法案が今国会で審議されています。

しかし、希望する住民がいる地区ということになりますと、例えばA世帯は希望するが、隣のB世帯は希望しない…という事態も想定され、住民からは、いわゆる「虫食い状態の除染で生活が成り立つのか」といった懸念や、「点ではなく、地区全体を面で整備すべき」などといった声が相次いでいます。

この「特定帰還居住区域」をめぐって、政府は9日、「面的に整備する」方針を示しました。
9日の国会。「特定帰還居住区域」について、次のようなやりとりがありました。
立民・金子恵美衆院議員「虫食い状態で避難指示を解除することにはならない。しっかりと面的な対応をしていくということでよろしいでしょうか」
小島敏文復興副大臣「その通りでございます」
小島副大臣はこのように話し、特定居住区域について、面的に整備していく考えを示しました。その上で、「家の隣接状況や地形、放射線量の状況、生活で必要な施設などを考慮したうえで、整備を進める」と話しました。
一方で、特定居住区域が指定された後にも、拠点外の帰還困難区域は残ります。これについて問われた渡辺大臣は「重要な課題と認識している」と述べるにとどめ、具体的な見通しについては、言及しませんでした。
特定居住区域の新設などを盛り込んだ福島復興特別措置法の改正案は、5月中にも成立する見通しです。














