RBCiラジオの長寿番組『民謡で今日拝なびら』。その放送開始60年を記念したコンサートが4月29日浦添市の国立劇場おきなわで行われました。60年は人間でいうと還暦。大きな節目を一緒に祝おうと、たくさんのリスナーたちが集まりました。
『民謡で今日拝なびら』は1963年2月4日に放送が開始されました。県民に絶大な人気のあったウチナー芝居の役者たちを起用し、方言でトークをする琉球民謡のリクエスト番組です。

終戦からわずか18年。ラジオに続きテレビが県内でスタートしたばかりで、番組も県外からのものが多く、沖縄からの放送もアナウンサーによる共通語での番組がほとんど。普段から耳なじみのある方言で、気軽にハガキで民謡をリクエストできるとあって、瞬く間にお茶の間の人気の番組となりました。
そうして迎えた60年。コンサートではこれまでの番組の歴史の中で、リクエストをきっかけに生まれたヒット曲の数々が演奏されました。

長年メインパーソナリティーをつとめた上原直彦さんは、体調を考慮し音声だけの出演でした。
上原直彦さん「放送聴いて楽しんでもらえたら十分。これからもよろしく。私の作り話・ユクシムニーにもお付き合いいただければありがたい」
トークコーナーではゆかりのある出演者がこの番組を振り返るトークを繰り広げました。
名嘉睦稔さん「ラジオがハルウジャー(畑仕事)する畑たちにあるハル(畑)全体で『民謡で今日拝なびら』が鳴る」
番組開始数か月後から2020年に引退するまで、およそ57年間出演していた八木政男さん。
八木政男さん「ウチナー口を無くしてはいけない長く続いた秘訣もその辺にある」
前川守賢さん「ウチナー口を大事にする島言葉を先輩方の話を聴いて、まだまだ話ていないことがありますから、まだまねて真似て学んで、いつかは次世代・後輩たちにも受け渡す日が来るでしょう」

この日は名作歌劇『丘の一本松』の有名なシーンが、前川守賢さん、八木政男さんによって特別に上演されました。

観客「普段はラジオできいている生の三線を聴けて最高。100年も200年も続いてほしい。ウォーキングで走ったりするときにラジオを生活の一部として聴いている」
観客「とてもいいですね、ウキウキわくわくしてきた。家事しながらスマホでユーチューブながしながらずっと聴いています」
観客「ウチナー口の勉強になる知らなかった言葉がいっぱいでてくる。何かしながら車の中から時間になったらラジオをつける生活とともにある」
生活に密着した沖縄の伝統文化である、ウチナー口と琉球民謡。その文化を末永く継承していけるように『民謡で今日拝なびら』はさらなる長寿番組を目指します。