かつて島根県松江市美保関町に「水族館」があった…。
戦前から戦後にかけて水族館が3回造られていたことが地元の人の調べで分かって来ました。
それだけでも驚きですが、なんと、4つ目の存在の可能性も浮上してきているといいます。

多くの漁船で賑わう松江市の美保関漁港。

美保関漁港(島根県松江市美保関町)

記者 入江直樹
「こちら松江市の美保関になんと水族館が昔あったそうなんです。こちらの方に教えて頂きたいと思います。田村さん、宜しくお願いいたします」

松江市の田村葉子さん。
地域の出来事を探究するグループ「生きもののわ」の代表を務めています。

生きもののわ 田村葉子代表

生きもののわ 田村葉子代表
「海のテーマパークって呼んでも良い位の、当時としては先進的なものを沢山入れていたようです」

田村さんがまず案内してくれた場所。そこにはかつて、美保園(1925年4月オープン)という今でいうレジャーランドがあったとのこと。

当時のパンフレットには、赤い三角屋根の水族館のほかサル小屋、食堂や浴場が入る建物などが描かれています。

美保園のパンフレット
美保園のパンフレット

美保園を写した写真には、右手に三角屋根の建物が見え、これが水族館と見られています。

美保園の写真

近くに住んでいた92歳の女性は、当時の賑わいを覚えていました。

美保園の近くに住んでいた 周防豊子さん
「戦前は北前船が出たり入ったりする、ここ港でしたから。それですから芸者さんが20人もおられたことがある(と母から聞いた)。カレイとかタイとかね。イカとか、そういうような(魚を展示していた)。戦争が激しくなって行くうちに、そんなのもみんな撤去されてしまってね」

美保園の近くに住んでいた周防豊子さん

船による水運が活発だった頃、美保関は物流の拠点として栄えていました。ただ、戦争が激しくなる中で、水族館は廃止されたと見られています。