ノートの端に描いていた落書きをほめられた
そんな弓さんに転機が訪れたのが、中学1年生のころ。
さまざまな理由で学校に行けない子どもたちが集まって共同生活を送る石垣島の自立支援学校に通っていた時のことでした。
そこで出会った人から、ノートの端に描いていた落書きをほめられたのです。


これをきっかけに、弓さんは、少しづつ絵を描き始めました。
(山那 弓 さん)
「最初のほうは、みんなちゃんと何かしらしてるのに、何もできない自分が嫌で、その時はただ何もしてないという罪悪感から逃げるために絵を描いていた」



弓さんが絵を描き始めたのには、父親の影響もあります。父親の聡(そう)さんも趣味で絵を描いているのです。

(父 山那 聡 さん)
「引きこもって学校に行かなくなってから、真っ暗闇で黒い絵をいっぱい書いていたので、『これはどうなるんだろう』と心配だったのですが、自分の気持ち一杯絵にして、表現して、同じ気持ちの人が見て感動してもらったりとか、それがその絵の力だと思うし、人に見てもらいたいですね」

