暴走族衰退、直接の理由となった事件のひとつ

そうした暴走族たちでしたが、この後ジワジワと衰退へと向かいます。
その直接の要因のひとつが、89年の片瀬江ノ島で起きた事件でした。駅前で騒いでいた暴走族たちを注意しようとした新聞社の論説委員が逆に殴る蹴るの暴行を受けて命を落としてしまったのです。

この事件は全国的な暴走族撲滅運動を生み、警察は本腰を入れて全国で取締りを行いました。集団暴走だけでなく、いわゆる「族車」自体が、整備不良として取り締まりの対象になっていきます。
しかも、次第に若者カルチャーにも変化が起きたのです。
「暴走族はダサい」「これからは“珍走団”と呼ぼうぜ」というように、一般からもカッコいいと思われなくなり、暴走族はジワジワと衰退していったのです。

1990年代末から暴走族は次第に下火になっていった。

暴走族OBたちは、あるものは旧車族などと呼ばれています。「昔はヤンチャだった」とかつてを懐かしむ姿から、往年の不良少年ぶりが時折チラリとのぞきます。

しかし別のあるものは「半グレ」となり、今も各所で騒ぎを起こしていたりします。これもまた暴走族カルチャーが残した一面です。

【暴走族当て字、正解】
(1)愛死天流…あいしてる 
(2)鬼魔愚礼…きまぐれ 
(3)魔苦怒奈流奴…マクドナルド
(4)麗心愚…レーシング