「大熊でパティシエに」膨らむ家族の夢

4年前に町に戻り、災害公営住宅に暮らす新妻茂さん(74)。この日は、畑を耕す作業を行っていました。

新妻茂さん

新妻茂さん「ナスとかマンガンジトウガラシを植えようかなと思って」

町民を明るく出迎えたい。新妻さんは、ふるさと大熊町に花や野菜を植え続けています。

新妻さん「今年から子どもたちも来たからね。良かったと思います。やっぱり小さい子どもたちのキャーキャー遊ぶ姿を見ると気分的にうれしいもの」

新妻茂さん

新妻さんは、これからも戻ってくる人や子どもたちのために畑や花で出迎えたいということです。

新妻さん「通る人の心がちょっとでも癒やされればなと思ってやっている」

この日、後藤さんは、震災前に両親が暮らしていた家に向かいました。大熊町は、町の半分の地域で避難指示が解除されていますが、現在住んでいる人は1000人あまりと震災前の1割にすぎません。

家屋は、数年前に取り壊しました。愛琉さんがこの場所に足を運んだのは、初めてです。

震災前に愛琉さんの両親が住んでいた場所

母・仁美さん「今の住宅が子育て支援住宅で子どもが18歳までしか住めないので、いずれここに戻ってくるということは(夫と)話をしています。戻ってきてよかったと思いたいですね。本当にまたここで新たな生活を始められる日を心待ちにしています」

後藤さんは、ここで新たな夢を育んでいます。

愛琉さん「広くて家を建てるのにいいと思う。大熊でパティシエをやってみたいです」
Q.お店ここに建てる!? 愛琉さん「ハハハ」
琉清くん「僕はここに公園を作ってほしい」
仁美さん「ここに公園作るの?お家を建てられなくなっちゃうよ」
Q.琉清くんは将来何になりたいの?
琉清くん「建築士!」

いまは雑草が生い茂るこの場所ですが、3人の夢は膨らみます。

仁美さん「お家を建てたいのよ、こっちに」
愛琉さん「私の家?」
仁美さん「みんなで住む家だよ。愛琉のお店兼住宅か」
琉清くん「僕は建築士だから、ここに色々なものを作れるよ!ポインポインって」

町に戻ってきた子どもたちが、大熊町の未来を担っていきます。