海上自衛隊の護衛艦が今年1月、山口県沖で浅瀬に乗りあげて航行不能となった事故について、海上自衛隊は、艦長ら幹部が浅瀬に気付かなかったことを明らかにしました。

海上自衛隊の護衛艦「いなづま」は今年1月、山口県・周防大島沖でエンジン関係の試験中、浅瀬に乗りあげて航行不能となりました。

この事故について海上自衛隊に事故調査委員会が設置され、関係者への聞き取りや航行データの解析などを行い、きょう調査報告を発表しました。

事故の原因については、▼艦長が試験が予定よりも早く進んだという理由から安全面を考慮せずに計画された航路の変更を指示したこと、▼運航に従事する幹部が事前に海図を十分に確認しなかったこと、▼浅瀬の存在の情報が正しく共有されず、艦長ら幹部が認識していなかったことなどがあると明らかにされました。

そのうえで再発防止対策として、▼艦長を養成するプロセスの見直しや、▼必要な情報をシームレスに共有できる通信の使用の検討などを行っているということです。

防衛省は事故の関係者の処分について、今後、適切に処置するとしています。

護衛艦「いなづま」の修理には数年間を要し、費用はおよそ40億円かかるということです。