シリーズ「現場から、」です。G7広島サミットの開催まであと10日です。核保有国を含む7か国の首脳たちの会議場から見える島では、被爆者の遺骨が今も見つかっています。
広島サミットで首脳会議が開かれる海沿いのホテル。その目の前に島があります。広島市街地の沖に浮かぶ似島です。
嘉陽礼文さん
「あそこが現場になります。ご遺体が埋められているという場所です。取り残しの遺骨はいっぱいあります」
先月中旬、県内の大学に勤める嘉陽礼文さん(45)は似島にいました。嘉陽さんは個人的な活動として、被爆者の遺骨を探しています。
似島には陸軍の検疫所があったため、広島に原爆が投下された直後から臨時の野戦病院となり、1万人ともいわれる負傷者が船で運ばれてきました。
戦前から似島に住む冨士井和子さん(92)です。検疫所に溢れかえった負傷者は次々と息絶えていきました。火葬が追い付かなくなると、広場に穴を掘って遺体を埋めていたといいます。
冨士井和子さん
「草が生えているところ、どこもかしこも兵隊さんが掘っていた」
数えきれない遺体が似島に葬られました。戦後直後から島の人たちや広島市の調査で多くの遺骨が掘り出され、供養されてきました。ただ、まだ掘り出せていない場所があると証言する住民もいました。
嘉陽さんは2014年から似島で遺骨の発掘調査に取り組んでいます。2018年の春には、地元住民と一緒に調査をして100個以上の骨片を見つけました。その後も、嘉陽さんはまだ見つけ切れていない被爆者の遺骨を探します。
そして、この日も…
嘉陽礼文さん
「お骨、出てきましたね。(Q.触っている白いもの?)そうですね」
指先ほどの小さな骨片です。丁寧に周辺を探して行くと…
嘉陽礼文さん
「ほかにもありましたね。2018年の調査の取り残し、人骨だと思います」
遺骨を手にした嘉陽さんは…
嘉陽礼文さん
「戦争は終わっていないと思う。原爆も終わっていないし、戦争も終わっていない」
嘉陽さんは「埋もれたままの遺骨はまだある」とこれからも調査を続けます。
サミットでは、核軍縮についても議論される見通しです。今もなお、土の中に残された被爆者の声なき声を、各国の首脳は受け止めなければいけません。
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