ダイハツ工業で海外向け自動車の認証で不正があったことを受けて、親会社・トヨタ自動車の豊田会長は8日、対象車両の生産・販売の拠点であるタイで記者会見を開き、「お客様の信頼を裏切る行為だった」と謝罪しました。

トヨタ 豊田章男会長
「この度のダイハツ工業の問題は、お客様の信頼を裏切る絶対にあってはならない行為だと思っております。トップ自らが現場と向き合い問題をあぶりだし、解決していく以外に信頼回復の道はない」

タイの首都・バンコクで会見を開いたトヨタの豊田会長は、子会社のダイハツ工業で起きた認証不正の問題についてこのように述べて謝罪したうえで、現地の生産工場を視察し、自ら従業員に説明したと明らかにしました。

子会社のダイハツは、タイをはじめ海外でトヨタブランドなどとして販売する4車種、8万8000台あまりについて、車体の衝突試験で不正な加工を行い試験を通過していました。

これを受け、トヨタは対象車の出荷を一時的にストップし、タイ当局の判断を待って販売を再開したいとしています。

すでに販売したおよそ4万台については追加の試験で安全性や品質に問題はなかったということです。

不正が起きた背景についてアジア本部の前田本部長は、「ダイハツにとっては今までにない難しさがあり、新しさを持ったデザインにするためにより短い期間で開発しようとした。いくつかの要因が重なって過度なプレッシャーとなった可能性がある」と述べています。