30年前、カンボジアでの国連のPKO平和維持活動中に、岡山県警のひとりの男性警察官が殉職しました。30年の命日に、警察学校時代の仲間が慰霊碑を訪れ追悼しました。


殉職した岡山県警の警察官らが眠る、慰霊碑です。そこには高田晴行警視の名前も刻まれています。紛争解決のための国連の平和維持活動中、カンボジアで殉職しました。高田さんが亡くなって、30年になります。
慰霊碑を訪れたのは、元警察官の藤原義正さん。高田さんが亡くなる4年前、ともに警察学校で研修をうけていました。

(藤原義正さん)
「衝撃でしたからね…いつも撫でています。高田さんは勇気があって誠実でひょうきんなところがあって、愛すべき人」
自ら平和維持活動への参加を志願したという高田さん。1993年、日本から遠く離れたカンボジアで武装集団に襲撃され、殺害されたのです。当時33歳でした。
高田さんの死から30年。今も世界では戦争や紛争が後を絶ちません。
(藤原義正さん)
「高田さんは、日本の平和を願っていると思います。平和で安全ということが一番の福祉。まずそれがないと豊かさもないし、他の国のことも考えられないので」

藤原さんは、小説などを通して高田さんの志を後世に伝える活動を続けていて、いまは小説の映画化の計画をすすめています。

(藤原義正さん)
「いまから彼のことを世に出したい。30年を節目にいいたいことは、『こういうことが現実にあったんだ』と。『常にこれは考えなくてはいけない』と。昔のことではなくて、今現在の私たちも同じ。彼を通して日本人を見つめ直したい。そういうことを知ってほしい」
平和を願い続けた高田晴行さん。悲しみは癒えませんが、30年経った今も高田さんの思いを伝えたいと活動を続ける人がいます。