「いくつになっても挑戦できる」...その場にいた多くの人が感じた光景でした。岡山市北区で開かれた陸上の大会に、100歳の男性が出場し、力強い走りで会場を沸かせました。

シティライトスタジアムで開かれた陸上の大会です。若者に交じり、会場に現れたのは...。

(柳本泰芳さん)「100歳。大正12年の1月生まれ」

広島県呉市に住む、柳本泰芳さんです。元々走るのが趣味で、新聞で今大会を知り、「力試しをしたい」と出場を決めました。60メートル種目で100歳以上のエントリーは、今回柳本さんだけ。「16秒98」という100歳の日本記録更新を目指し、家の周りで練習をしてきました。

(柳本泰芳さん)「新記録を更新すれば、名前が出るのが嬉しいと思う。『やっているな』と見てもらいたい」

そんな柳本さんには、一抹の不安が…。

(柳本泰芳さん)「女房が寝ていて、ガサガサといって寝られなかった」

緊張もあって眠れなかった柳本さん。力は発揮できるのでしょうか。

その柳本さん、号砲に気付かずスタートは出遅れてしまいました。しかしこのあと、諦めることなく、粘り強い走りを見せました。

結果は、22秒59でした。

(柳本泰芳さん)「スタートが悪かった。あんなに早くどーんというとは分からなかった。もう一回やらせてほしい。それだったら走るでまだ。そりゃあ悔しい」

一方で、年下のランナーたちは100歳の力走を見て、感じるものがあったようです。

(40代のランナー)「突き抜けて行っていたんで、素晴らしい。根性や、と思いました。僕は半分くらいしか生きていないんですけど、ずっと続けていければいいなと思いました」

「いくつになっても挑戦できることを証明した柳本さん。来年も大会に出場するため練習をしたいと話していました。なお、主催者は「もしスタートダッシュが上手く行っていれば、日本記録が更新できたのでは」と話していました。