「街の本屋さんでしか出会えない一冊」


<宇佐見りんさん>
「今月で閉店してしまうということで、私もついこの間聞いて、すごくびっくりしているんですけど」

<マルサン書店仲見世店 増田淳店長>
「もうちょっと頑張れればよかったんですけど、申し訳なかったですね」

この書店、5月いっぱいで閉店を決めたのだ。

建物の老朽化や再開発で閉店を決めたマルサン書店仲見世店=静岡・沼津市



1998年に開店したマルサン書店仲見世店。沼津市を舞台とした人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」にも登場するなど、地元の街の本屋さんとして多くの人に愛されてきた。しかし、店舗ビルの老朽化や店の周辺区画の再開発が決まったことを理由に、閉店を決めた。

<来店客>
「残念だなと思います」
「昔からある本屋さんなので、そういうものがなくなっていくというのは、とても悲しいというか」
「ショックですね、毎日のように仲見世通りを通っているので」

幼い頃、祖母と、夏祭りの帰りなどに立ち寄った思い出があるという宇佐見さんも、閉店を惜むひとりだ。

<宇佐見りんさん>
「街の本屋さんでしか出会えない本は必ずあると思います。寂しいという気持ちが強いですし、すごくいろんな方に愛されているんだろうなということが、私はこれからも、このお店のことはずっと忘れないでいると思います」

<マルサン書店仲見世店 増田淳店長>
「このお店の長い年月の重みというのを、そういうお声をいただくと、ひしひしと感じる部分があるので、ありがたいなと思うと同時に、ここで閉店になってしまって、ちょっと力及ばずという、歯がゆい思いも同時にかみしめている形になりますね」

JR東海道線を挟んで学校が多い沼津駅北地区にこそ書店はあるが、南側の中心街からはまたひとつ店舗がなくなることに

マルサン書店は、駅北店(静岡県沼津市)とサントムーン店(同県清水町)は営業を続けるが、これで沼津駅周辺の書店はまたひとつ、なくなることになる。実はこの話、沼津だけの問題ではない。