長野県内でも多くの外国人観光客の姿が見られますが、インバウンド需要の本格的な回復に合わせ、長野市ではある取り組みがはじまっています。

観光客でにぎわう、長野市の善光寺。
外国人の姿も多くみられます。


■アイルランドから
「きのうは(地獄谷の)モンキーパークに行って、けさは松本を観光して長野に来た。素晴らしい旅だったよ」

■アメリカから
「孫が日本人の女性と結婚して結婚式がきのうあったの。善光寺に向かって歩いてきてとってもきれいだった」


新型コロナが落ち着き、インバウンド客が戻りつつあります。

国のまとめによりますと、日本を訪れる外国人観光客の数は今年(2023年)3月には1か月で181万人余りとなり、2022年10月の個人旅行再開以降、最多を更新。
2019年のおよそ65パーセントにまで回復しました。

こちらは、善光寺にほど近い門前茶寮 弥生座。
長野県産の野菜や信州牛などをふんだんに使ったせいろ蒸しが人気です。


外国人も多く訪れるといい、壁の世界地図には、サインがびっしり!
■武井久美子(たけい・くみこ)女将
「コロナになったときは(外国人観光客が)ぱったり見えなくなったんですが、ここにきて また大変な数の方が来てくれています」

この店では、外国人客に快適に食事を楽しんでもらおうという工夫をしています。
英語のメニューには、「要望に応じて変更」の表記。


「ベジタリアン」などの希望を聞きながら、料理を提供しています。
中でも人気なのが、「温野菜サラダ」と「花かご弁当」。

長野県産の野菜を使った温野菜サラダには、この時期、コシアブラやコゴミといった山菜も。
花かご弁当は、肉などは使っていませんが、生麩(なまふ)の田楽(でんがく)やおにぎりなどで満足感を得られます。



■武井久美子さん
「信州は山の幸の宝庫ですからおいしい野菜がいっぱいある。それを大きなせいろにできるだけ詰め込んでボリュームを出しています。長野に来てとってもおいしいものを食べた、という印象でお帰りいただきたいので、できるだけ良いもの、旬のものを出して、満足してもらえればと思っている」

この取り組みは、3月に発行されたパンフレットに掲載されました。
野菜などの食事が中心の「ビーガン」や「ベジタリアン」、「ムスリム」向けの飲食店を紹介するもので、長野県の食文化を紹介する有志団体と長野市が共同で作成しました。


■パンフレットを制作した吉澤 茜さん(食旅☆NAGANO代表)
「ホテルの方からベジタリアン、ビーガン、ムスリム向けのお客様に飲食店を紹介できるパンフレットを作ってほしいと言われたのがきっかけ」


パンフレットには「ベジタリアン」などに対応しているか一目でわかるアイコン。
靴のまま入店できるか、クレジットカードは使えるかなど外国人が気になるポイントも盛り込みました。
■長野市インバウンド国際室 宮沢聡史さん
「日本人の感覚と外国人の感覚は違う。僕らが当たり前にできていることが彼らにとっては当たり前ではない。そういうところを気をつけてみていくようにしました」
掲載されているのは長野駅から善光寺門前までの42店舗です。
■食旅☆NAGANO代表 吉澤 茜さん
「ベジタリアン、ビーガン、ムスリムについての『こういうのは大丈夫です』『こういうのはダメです』というのをあらかじめリストにしておいてそれをもとにお店に行って一つずつ聞いていきました」
さらに・・・
■井上記者
「ガイドブックの情報はスマートフォンでも見ることができます。QRコードを読み込むと掲載されているレストランを見ることができます」


日本語のページもあるので、日本人にとってもお店探しのうれしい味方になります。

パンフレットはおよそ1万部作成され、観光情報センターや掲載されている店などに置かれています。
この日も、手に取る観光客が。



■ブルネイから
「おもしろそうだったから手に取った たくさんの選択肢があっていいね」
■イギリスから
「日本に来たい人は世界中に大勢いて、そういう人たちがベジタリアン向けの食べ物を見つけられるからすごくいいアイディアだと思う」
■インドネシアから
「ムスリムや外国人にとって、とてもいいと思う。ガイドブックのほかにウェブサイトもあるの?使ってみるよ」
より多くの観光客に、楽しく快適に食事をしてもらおうという取り組み。
反応は上々のようです。














