大自然の厳しい世界。野生動物は皆、自分の命を繋ぐことに精一杯。他人のことにかまってる余裕はなさそうに見えます。
でも、吸血鬼ヴァンパイヤを思わせるチスイコウモリは少し違っていて、互いに「血の貸し借り」をするのです。「どうぶつ奇想天外!」取材班が南米アルゼンチンで撮影しました。
(TBS初代「どうぶつ奇想天外!」プロデューサー・戸田郁夫)

助けてくれた相手にお返しをする
チスイコウモリは体長10cmほど。洞窟で集団で暮らしています。
夜になると、生き血を求めて外に飛び出していきます。獣や鳥などにそっと近づき、カミソリのような歯で傷をつけます。唾液に含まれる成分により血は固まらなくなり、タラーっと流れ出てきます。それを舌で舐めとるのです。
お腹がいっぱいになると巣に帰ってきます。
コウモリたちの中には吸血に失敗し、腹ペコで帰ってくる者もいます。そんな時、洞窟の中では「血の貸し借り」が始まるというのです。どういうことでしょうか?