国連の安全保障理事会は、戦時中の子どもの連れ去りに関する非公式会合を開き、各国から「ロシアがウクライナの子どもを連れ去っているのは国際法違反だ」などと非難が相次ぎました。

ウクライナ キスリツァ国連大使
「責任あるすべての国がともに行動することは、私たちに共通する責務です。そうでなければ、罪のない子どもたちが犠牲になるという暴力の悪循環を断ち切ることはできません」

安保理は28日、戦時中の子どもの連れ去りについての非公式会合を開きました。

欧米諸国を中心に出席した多くの国は、「ロシアによってウクライナの子どもが連れ去られている」と指摘し、「国際法違反だ」などと非難する声を上げました。

また、ウクライナ当局は去年の軍事侵攻以降、ロシアが占領した地域からおよそ1万9500人の子どもが強制的に連れ去られたとしていて、出席したウクライナのキスリツァ国連大使は、「ウクライナという国のアイデンティティを消し去ろうとしている」などと強く非難しました。

一方、ロシアの代表は、「ロシアに対し根拠のない糾弾が行われている」と反発しています。

また、今年3月に、ICC=国際刑事裁判所が、子どもの連れ去りに関与したとして戦争犯罪の疑いでプーチン大統領などに逮捕状を出したことについて、「ICCの司法権はロシアには及ばない。私たちにとっては存在しないのと同じだ」などとしています。