精神疾患などがある人たちの就労支援を行う「100年ボンド」という自立訓練施設を兼ねていて、働くスタッフは施設の利用者なんです。

遠藤さん「(精神疾患がある人は)あるところではうまくいかないけど、あるところではすごい才能を発揮する。イキイキとできる場所、それを飲食店の立場からできたらいいなと思って始めた」

誰もがやりがいを感じる店にしたい。ここにはその想いが込められています。

施設利用者「遠藤さんと仕事することが楽しくて、どんどんイキイキと元気になってきてます」

そう話す利用者はお店の開業から携わっています。遠藤さんが厨房を担当し、施設利用者はホールの準備、そしてチラシ配りも行います。

「こんにちは、カレー屋さんオープンしたんでよろしかったら」

オープン当初は人の流れがなかったものの、だんだんとお客さんが来てくれるようになりました。

遠藤さん「彼がずっと営業してくれて、お客さん呼び込んでくれたりとかチラシ配ったりしてくれて」

施設利用者「自然と体がお店に貢献しようと思って動きました。自分で考えて、チラシ配りをして営業活動を始めました」

一方、そんな彼は以前、自宅に引きこもっていました。しかし今では、生き生きと仕事に励んでいます。

遠藤さん「バリバリやってくれてるし、やっぱり環境なのかなと思いますよね。その人が悪いとかじゃなくて」

施設利用者「両親も食べに来るって言ってくれて、嬉しいですね。家族もそうやって応援してくれるので」

営業時間は午前11時半から午後2時まで。ちなみにこの日は、完売。

お昼はみんなで賄いを頂きます。

施設利用者「病みつきになる味ですね。また食べたくなる」

賃金はできることが増えるほど上がっていくランクアップ制。最大時給は1500円です。また遠藤さんはこの先の店舗運営について考えが。

遠藤さん「もう僕が入らなくても、例えばこの中から店長が出て、教育までしていけるような感じの流れができていったらいいなと思ってます」

心に病気を抱えていても、きっと自立できる。遠藤さんの思いは伝わっているようです。

「目標は店長になることです。元々自分が引きこもっていたんですけど、そういった人たちに寄り添って、希望の光を与えられるような人になりたいと思ってます」