◆子供の保護者グループで「東峰一献」

「復興の証しとして酒造りを再開し、支援してくれた友人やボランティアに恩返しをしたい」、そんな片岡さん夫婦の背中を押してくれたのは、子供の同級生の保護者たちでした。「せっかくなら東峰村でつくった米で酒を造ろう」と、3年前に保護者仲間13人で「東峰一献」というグループを立ち上げ、酒米づくりを始めました。

「東峰一献」 佐々木啓二代表「こちらの田んぼの地主さんたちが使っていた所を、高齢化のために自分たちでできないからと、酒米づくりのために自分たちが使わせてもらっている」

◆“東峰村の元気” 見せたい

高齢化率が46.1%と県内で最も高齢化が進む東峰村では、耕作放棄される田んぼが年々増えています。「東峰一献」のメンバーは借りた田んぼで酒米づくりを行い、稲刈りには村の住民以外も参加しました。

「東峰一献」 佐々木啓二代表「若い人たちも魅力があるとこだなと思って帰って来て、こういうことをしたりとか美味しいお酒を造って、みなさんに『東峰村は元気でやっていますよ』というところも見せたいなと」

◆純米酒「東峰一献」

メンバーは酒造りも手伝っています。

「東峰一献」メンバー 熊谷智恵さん「楽しいですね。素人なのに関わらせて頂いて本当にうれしいです。(Qできあがったお酒は飲みました?)ちょっとだけ。(Qお味は?)とてもおいしいです」

片岡酒造 片岡拓之店主「これは種麹です」

蒸した米に種麹を振りかけ、2日間寝かせます。日本酒造りで最も重要な工程です。その後、段仕込み、もろみ造りなどを経て、辛口が700本、甘口と濁り酒がそれぞれ500本ずつできあがりました。芳醇な風味と柔らかい舌触りが特徴です。

RKB三浦良介「飲んだ後に香りがすごくします。おいしいです」

◆蔵開きは4月30日

片岡酒造 片岡和子さん「私たち家族だけではできなかったことが、東峰村のみなさんとかお客様とかいろんなボランティアの方の言葉とか、いろいろなお手伝いでできたお酒かなとは思います」

村の素材だけを使用し、50年ぶりに誕生した正真正銘の東峰村の純米酒「東峰一献」のお披露目会と蔵開きは、4月30日の午前10時から行われます。

片岡酒造 片岡拓之店主「おいしいお酒ができました。地元のお米と名水で造った東峰村のお酒を是非とも飲みに来てください」