台湾で中国に批判的な書籍を発行する出版社の編集長が消息不明となっている問題について、中国政府はこの編集長が中国当局の取り調べを受けていることを明らかにしました。

関係者によりますと、消息不明となっているのは台湾の出版社「八旗文化」の李延賀編集長です。

李編集長は今年3月、親族に会うため中国・上海を訪れたあと連絡がとれなくなっていましたが、中国政府で台湾を管轄する国務院台湾弁公室の朱鳳蓮報道官はきょう、李編集長が「国家の安全に危害を及ぼす活動に従事した疑い」で国家安全当局の取り調べを受けていることを明らかにしました。

中国国務院台湾弁公室 朱鳳蓮報道官
「李延賀は国家の安全に危害を及ぼす活動に従事した疑いで、当局の取り調べを受けている」

「八旗文化」は新疆ウイグル自治区に関連する本などを出版しており、台湾メディアは「中国で禁止されている本を出版したことが拘束の原因ではないか」としています。

また、台湾独立を主張したとして、国家分裂の疑いで逮捕されることが決定した台湾出身の楊智淵氏について、朱報道官は「これは台湾独立勢力に警鐘を鳴らすことであり、誰も国家の裁きを逃れることはできない」としています。