内戦が激化しているアフリカ北東部のスーダンでは、これまでに450人以上が亡くなるなど、緊張状態が続いています。長年スーダンの貧困問題に取り組んできた岡山市の企業の社長も憤りを隠せません。

(大紀産業 安原宗一郎社長)
「私もスーダンに、2015年からこれまで8回くらい訪問しているんですけども、市民だったりとか農民だったりとか、そういった人は何も悪いところはない中で、こういった問題が起きているというのは非常に悲しいことですね」

4月15日にスーダンで始まった、軍とその傘下の準軍事組織による衝突。両者の権力争いが原因と見られていて、これまでに450人以上が死亡、負傷者も3700人を超えています。このスーダンの内戦に心を痛めているのが、岡山市北区で食品乾燥機を製作している大紀産業の安原宗一郎社長です。

(大紀産業 安原宗一郎社長)
「アフリカのスーダンで作っている乾燥タマネギになります」

安原社長は「自社の技術が社会貢献に繋がれば」と、2016年から食品乾燥機をJICAなどの国際機関に格安で提供し、スーダンで普及させる取り組みをしてきました。高温・多湿で野菜が腐りやすいスーダンで乾燥機が普及すれば、農家の収入が増え、貧困の解消に繋がると考えたのです。


現地では2つの工場が稼働し、20人の雇用も生み出しましたが、内戦の激化でストップしてしまいました。

(大紀産業 安原宗一郎社長)
「まずは命が大切なんですけども、我々の乾燥機を使って収益をあげてきた方もいらっしゃるので。それができなくなったということで、ますます生活が厳しくなってくる状況ですね。残念ですし、国際貢献ができないということで心を痛めていますね」

工場の従業員はすでに安全な場所に退避していますが、スーダンでは25日からの72時間の停戦以降も衝突が続いている状況です。
(大紀産業 安原社長)
「スーダンの方って非常に素直な方が多いので、そういった方が戦場に巻き込まれるっていうのは非常に辛い気持ちです。一刻も早く停戦をしてもらって、元の生活に市民が戻れるようにしてほしい」

戦火によって中断せざるを得なくなった支援、一刻も早い戦闘の終結が待たれます。