■お接待の文化は島の移住者にも…

島の遍路道を歩いていると、古くも立派な屋敷の前を通りかかった。屋敷の門には「無料試飲できます」の看板と共に、ビールの瓶が…。
奥から出てきたのが、南雲信希さん(42)だ。

南雲信希さん(42)

■南雲信希さん(42)
(Q.こちらは何の建物?)
「クラフトビールを作っている醸造所ですね。お接待は初めて。どんなものかと思って試しに」

以前は出身地の横浜で小料理店を営んでいたが、コロナ禍がきっかけで生活を見つめ直し、妻と2人の娘と共に去年、興居島に移り住んだ。

南雲さんの店「gogoshima beer farm」。築150年ほどの古民家を改装し、今年1月から本格的にビール造りを始めた。現在は愛媛県産のかんきつや小麦などを使った4種類のビールを販売している。

■南雲信希さん(42)
「それこそお接待の文化なので外から来た人たちを歓迎してくれて良くしてくれますね」

島全体が温かなおもてなしに包まれる島遍路。江戸時代から続く春の風物詩は、新たな島民にも受け継がれ、これからも大切な文化として守られていく。