「製造サービス業」として顧客の要望を丸ごとサポート 宇宙ベンチャーにも部品提供

2022年に社長に就任した山本勇輝氏は、新たな事業モデルの構想の中でさらに自動化を進めようとしている。13年にアメリカのシリコンバレーで現地法人を設立して事業の拡大を進め、22年からHILLTOPの社長を務めている。プログラムの効率を高め、短納期を実現したことで受注が増え、社員が再びルーティンに追われる状況に違和感を抱いたという。

HILLTOP 山本勇輝社長:
最適化されるということは人が考える要素とアクションがどんどん減っていくし、決められた仕組みの中で創造性を盛り込むことが非常に難しくなってくるので、僕たちが求めていた価値観とは真逆の方向に行っていることに気づいて。

勇輝社長はAIの導入で加工工程のすべてを完全自動化しようと取り組んでいる。多品種単品生産のHILLTOPの強みを生かし、ユーザーの多様な要望を丸ごとサポートする新たな事業領域を作ろうとしている。製薬メーカーの製造ラインで錠剤の欠けや割れを見つけ取り除く錠剤検査機では、HILLTOPは部品の提供だけではなく最終組み立てまで行う製品メーカーだ。出荷台数は20台。少数単品の生産が得意とはいえ、メーカーとなるメリットは何か。

HILLTOP 山本勇輝社長:
元々加工業というより製造サービス業という認識でずっと動いているので、ユーザーの困りごとでは、アッセンブル(組み立て)も一緒にやってほしいと。その次は、例えばエンドユーザーからこういう要望があるのでマイナーチェンジをしたいので、こういうカスタマイズをしてもらえませんかと。では、それもトライしていきましょうと。