■乾坤一擲の演説も


現地時間の5月5日、岸田総理は世界最大級の金融街であるイギリス・ロンドンの「シティ」で演説を行った。大型連休を利用した、8日間にわたる東南アジア・ヨーロッパ外遊。そのハイライトといえる瞬間だった。

岸田総理
「私は、最近の総理大臣の中では、最も経済や金融の実態に精通した人間だと自負している」

日本市場への投資を訴えた岸田総理


控えめなイメージのある岸田総理が見せた強烈な自負心。元銀行員で、戦後初の金融業界出身の総理大臣。その自分こそが、金融市場について一番分かっているとして、日本への投資を訴えたのだ。

岸田総理
「安心して日本に投資をしてほしい。インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)です

岸田総理側近
「成長重視・投資呼び込みというメッセージを政権として強く出したかった」

演説後、一部の市場関係者からは「インベスト・イン・キシダです」ではなくて「インベスト・イン・キシダ・DEATH(岸田に投資したら死ぬ)だ」などと揶揄され、マーケットの岸田総理に対するアレルギーが依然強いことも浮き彫りになった。

また、「インベスト・イン・キシダ」は2013年にウォール街で安倍元総理が発言した「バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買いだ)」のオマージュだと思われるが、その安倍氏は周囲に「私はアベノミクスという政策を買ってくれと言っただけだけど、岸田さんの言い方だとまるで自分自身に投資して、って聞こえるよね」と皮肉混じりに語ったという。

ただ、この演説、内閣として新しいメッセージをいくつも打ち出していたことも事実である。少し振り返ってみよう。