過去最低の投票率となった高松市長選挙ですが、高松市の選挙管理委員会の対応が問題となっています。本来予定していた「1時間ごとの投票率の調査」を、1回しか行わず、有権者に情報がほとんど届かない状態になっていました。

8年ぶりとなった高松市長選挙の投票風景です。時間ごとに投票率を見ることは、有権者の動向など、選挙の実態を知る上で大変重要なデータとなりますが…。

(古川豪太リポート)「高松市の選挙管理委員会が事前に発表した、統一地方選挙の概要です。投票速報は1時間ごとに5つの投票所で調査し、全部で12回発表するとしています。ところが実際に調査したのは午後1時の1回だけ。しかも2か所でしか調べていませんでした。

(高松市選管選挙課 多田一夫課長)「県の報告のところで午後の1時に1回、中間報告すると」
(記者)「つまり有権者じゃなく、県を見て調べをしたと?」

(高松市選管選挙課 多田一夫課長)「そうですね。県の速報の要領に従ってやったと」

時間ごとの投票率は、有権者の投票行動にもつながる重要な情報ですが、同時に行われた市議会議員選挙では、予定通り1時間ごとに5か所の投票所で調査を行い発表しました。なぜ市長選は1回だけなのか、対応に疑問が残ります。

(高松市選管選挙課 多田一夫課長)「問い合わせいただくのも、市議会議員選挙の陣営からの問い合わせが、これは違う側面ですね。有権者の方に提供すべき情報であったかと」

今回調査しなかったことで、次の市長選でも比較ができなくなりました。民主主義の根幹ともいえる選挙の実態が、高松市では不透明なのです。

(高松市選管選挙課 多田一夫課長)「一番には、有権者の皆さまを向いた情報提供が必要だろうと思いますので、中間速報実施ができるように努めていきたい」

近年、各地の選挙で投票率向上が課題となるなかでの今回の対応。有権者にどう投票行動を促していくのか市選管による積極的な情報発信が求められています。