去年、一部で避難指示が解除された福島県双葉町に、岐阜県の企業の撚糸工場が完成し、22日、開所を迎えました。工場では、吸水性に優れた糸を製造し、双葉町の復興を紡いでいきます。

去年8月、一部地域で避難指示が解除された双葉町に、新たな“産業拠点”が誕生しました。岐阜県に本社を置く浅野撚糸(ねんし)の工場、その名も「フタバスーパーゼロミル」です。

フタバスーパーゼロミル

浅野撚糸・浅野雅己社長「(浅野撚糸は)世界唯一無二の撚糸技術を持っている。成功するということが、いちばん町民の方々に喜んでいただけると思う」

浅野雅己社長

糸の製造やタオルの販売を手がける浅野撚糸。社長の浅野雅己さんは、実は、福島大学の卒業生です。「第二の故郷・福島の復興を支えたい。」今回、双葉町での工場新設を決めました。

完成した工場で製造するのが、独自開発した吸水性に優れた糸、その名も「スーパーゼロ」です。

従業員も、県内出身者12人を含む21人を雇用しています。工場では、製造した糸を使ったタオルを販売するほか、施設内にはカフェも併設。オープン初日も多くの人でにぎわっていました。

南相馬市から来た人「首に巻くマフラータオルを買った。ジムに行っているので、汗を拭けるように」
双葉町民「きょうもたくさんの人が来ていて、これをきっかけに町に訪れていただくことで、町の人たちも元気づけられる」

町は、この工場を起点にした地域の活性化に期待を寄せています。

双葉町・伊澤史朗町長「全国探してもないような、デザイン性に優れた工場は多くの人の目を惹くのではないか。双葉の復興のシンボルになると期待している」
浅野撚糸・浅野雅己社長「ただ工場で糸を作って町に帰って来る人の雇用だけではなく、交流人口がこの町の1つのキーワード