きのう(23日)、名古屋市で将棋の叡王戦第2局が行われました。岡山市在住の菅井竜也八段が藤井聡太叡王に勝ち、対戦成績を1勝1敗の五分としました。

将棋の叡王戦の第2局がきのう名古屋市で行われ、岡山市在住の菅井八段が藤井聡太叡王と対戦しました。

菅井八段は、叡王戦第1局と同様、序盤に飛車を横に動かす「振り飛車」戦法で優勢を築くと、最後まで藤井叡王の逆転を許すことなく、115手で勝利しました。

菅井八段は、6冠のタイトルをもつ「現役最強」の棋士藤井聡太叡王に勝利し、叡王戦の対戦成績を1勝1敗の五分としました。

(菅井竜也八段)「きょうの将棋は、中盤が難しかったと思います。応援してくれるのが力になるので、頑張りたい」

(藤井聡太叡王)「もっと読みの精度を高めて、第3局以降に臨めれば」

叡王戦第3局は、来月(5月)6日、名古屋市で行われる予定です。

【解説】
菅井八段、見事、藤井六冠を破りました。その対局について振り返りたいと思います。菅井八段は、序盤に飛車を横に動かす「振り飛車」を得意とする棋士ですが、現在、「振り飛車」はAIなどの評価が低く、得意とするトップ棋士はほとんどいないんです。

しかし、菅井八段は第二局も第一局と同じく、5手目に「飛車」を横に動かしました。

中盤にかけて対局は、王を互いに囲う持久戦となりましたが、菅井八段は、自陣で横に動かした飛車と角を巧みに動かすと、隙をついて藤井竜王に襲い掛かりました。

対局後のインタビューで、藤井叡王は「中盤の飛車角の動きが見えていなかった」と語っていて、打ち手の減っている振り飛車が、菅井八段によって息を吹き返した一局だと言えるかもしれません。

将棋では一般的に「先手が有利」と言われていて第一・第二局ともに先手が勝利し、勝負を五分に戻しています。第3局以降は、ご覧の日程で行われる予定で(【写真を見る】参照)、菅井八段が藤井六冠の快進撃を止められるのか、今後の対局に注目です。