自衛隊が救出へ 初の「軸乗輸送」の可能性

今回、日本政府は邦人退避のため、スーダンの東にあるジブチに自衛隊の輸送機など3機を送りました。ジブチには、2011年ごろソマリア沖で頻発した海賊被害への対処をきっかけに、自衛隊が初めて海外に設置した拠点があります。

ただ今回、このジブチから先、スーダンでの救出活動をどう進めるのかは、まだ明らかになっていません。

想定される一つの方法としては、スーダン国内の安全を確保できる空港まで輸送機を飛ばし、そこから日本人のいる場所まで自衛隊の車両で迎えにいく可能性があります。邦人救出のために他国領土内で自衛隊が車両による輸送を行えば、初めてのこと。

この「陸上輸送」は、2013年の法改正によって、新たに自衛隊が可能な活動に加えられていました。

ただし、「陸上輸送」を行うためには、受け入れ国の同意が必要です。

自衛隊トップの統合幕僚長を務めた河野克俊さんは、「内戦下のスーダンでは、国軍とRSFのどちらが国を代表しているのかわからない。両方から同意を得る必要があるのかなど複雑な要素が絡み、ハードルは非常に高い」と指摘します。

また、そもそも安全に離着陸できる空港を確保する必要がありますが、日本時間の24日までとされる「停戦」も不安定な状況です。スーダンに残る日本人の救出には、難しい問題が立ちはだかっています。

(「サンデーモーニング」2023年4月23日放送)