政府がマスクの着用は「個人の判断に委ねる」としてから1か月あまり。町で取材すると、依然マスクを外さない人が多く見られました。その理由とは。

上村彩子キャスター
「ほとんどの方がやはりマスクをつけていますね。小さいお子さんまでつけていらっしゃいます」

政府がマスク着用について「個人の判断に委ねる」という方針を決定してから1か月あまり。東京大学と一橋大学のグループは、去年8月から毎週、マスクの着用状況について調査しています。

4月11日付けの調査結果では、屋外であっても人通りが多い場合、マスクを「常にしている」「概ねしている」と答えた人は合わせて70.7%。人通りが少ない街中だったとしても、57.8%に上っています。

「(マスクを)外してる子はいない」

「もうそろそろ外せるかなというところもあるけど、子どもたちからすると周りの様子を見ながらですよね」

「高校のとき入学当初からみんなマスクをしていたから、なんか逆にマスク取るのが恥ずかしい」

マスク着用の判断材料についての調査結果でも、「周りが付けているから」「口元を他人に見せることへの抵抗感」などがあげられています。

欧米で脱マスクが進むのと違い、日本で進まないことについて、コミュニケーション面から専門家はこう分析します。

中央大学 心理学研究室 山口真美教授
「欧米人は目元や口元で感情を読み取るのに対し、日本人を含める東アジア人は目元で表情を見るという特徴がある。マスクをしていても相手がどんなことを考えているか、どんなことを感じているかということが日本人はある程度わかるので、外さなくてもいいのではないかという状況になっている」

一方、マスクを着用し続けると子どもには影響がでるといいます。

中央大学 心理学研究室 山口真美教授
「顔を認識するためには生まれてから30年間ぐらいの学習が必要とされている。マスク顔で顔を学習しているような子どもたちにとっては、大人と同じようにたくさんの顔を記憶したり、覚えたり、区別できるようになるのかなというところが一つの懸念材料」