海上保安庁の小型飛行機が大分県宇佐市に不時着した事故。一夜明けた19日、現場では運輸安全委員会の調査官が原因究明に向けた調査を始めました。

(吉田健一記者)「現在、調査官が不時着した機体の状況を確認しています」

19日午前10時半ごろ、宇佐市の現場には運輸安全委員会の調査官3人が到着し、事故原因の本格的な調査を始めました。

この事故は福岡県の北九州空港を離陸した訓練中の海上保安庁の小型飛行機が宇佐市の農地に不時着。搭乗していた2人が軽いけがをしたものです。

機体の損傷が大きいことから国土交通省は、「航空事故」と認定しています。

調査官は機体の損傷の程度を確認したほか、ドローンを使って周囲の状況などを調べ、5時間後の午後3時半に調査を終えました。

(運輸安全委員会・西川直宏航空事故調査官)「エンジンの出力が低下したと聞いているので、これから確認をしていきたい」

事故原因についてはエンジンの不具合とみられています。今回の事故について日本航空の元機長で航空評論家の小林宏之さんはー。

(航空評論家・小林宏之さん)「不時着という判断はよかったが、最終的には裏返しになって墜落しているので、場合によっては「きりもみ」みたいに回転して裏返ったのか、あるいはパイロットが対応できないような状態で裏返ったのか、(フライトレコーダーの)解析によって究明されていくのでは」

運輸安全委員会は20日、搭乗していた2人から当時の状況を聞き取るなど、詳しい事故の原因を調べることにしています。

また、調査結果を踏まえて、第7管区海上保安本部は不時着した小型機と同じ型の機体を点検する方針です。