新潟県は17日、長岡市に住む50代の男女がスイセンをニラと誤って食べた食中毒と診断されたと発表しました。毒草による食中毒は17日現在で県内では今年2例目です。

2人は、16日の日中に自宅の敷地内で栽培している「ニラ」を採取し午後7時半ころから自宅で炒め物にして食べたところ、午後8時ごろから吐き気やおう吐の症状が出たため、長岡保健所管内の病院に救急搬送されました。

新潟県によりますと、2人からは「自宅の敷地内にスイセンも栽培している」との申し出があり、その植物を確認したところ「スイセン」であることが判明したということです。また患者の症状も、「スイセン」の植物性自然毒による中毒症状と一致することから、2人はニラと一緒に間違えて有毒植物であるスイセンを食べたことによる食中毒と断定しました。
毒草による食中毒は、2023年に入って2例目だということです。

料理を食べた2人はともに吐き気をもよおし、実際に1人はおう吐しています。
2人とも入院はしましたが既に退院しており、それぞれ快方に向かっているということです。

スイセンとニラ (写真提供:長岡保健所)

ヒガンバナ科の多年草である『スイセン』は、園芸品として色や形の異なる多くの種類がありますが、葉はニラによく似ているために間違えやすいとされています。
葉を切ったり揉んだりすると、ニラの場合は強い刺激臭(ニラ臭)を感じますが、スイセンは弱く青臭いという違いがあります。
またニラと比べてスイセンの葉は、葉の幅が広い・背丈が高い・葉が厚いなどの違いがあります。

スイセンを誤って食べてしまうと、おおよそ30分以内に吐き気やおう吐、頭痛
などの中毒症状を起こします。厚生労働省による過去10年間のまとめでは、1人の死亡例が確認されています。

スイセンはニラやタマネギと間違えやすいために新潟県では、有毒な植物が混生している場合もあるので、採取の際にはよく確認して採るとともに調理前にも再確認してほしいと呼びかけているほか、種類の判定ができない植物は「採らない」・「食べない」・「人にあげない」ことを徹底するように話しています。