日本人にしかない感性「あわい」を忘れないでいてほしい

本を読んでもうひとつ、すごく印象的だったのは「あわい」っていう言葉ですね。「間」って書いて人と人との間とか物と物との間という、この「間」じゃなしに、「あわい」という言葉の使い方にすごく思いを感じるんですけど、これはどういう思いがあるんですか。




(古性のちさん)「そうですね『あわい』っていう感情だったり、雰囲気をつかめるのって日本人だけなのかなって私は感じていて、どうしても他の国の言葉もそうなんですけれど、白と黒、イエスかノーかではっきりしているものが多い中で、日本人って、夏から秋に変わっていく間を楽しむことができたりとか、言葉もちょっと曖昧なものっていうのを受け入れることが得意な人種だと思っているので、その『あわい』って、日本人にしかない感覚を、やっぱみんな覚えていてほしいし、忘れないでいてほしいなって思いから、『あわい』という言葉をこの本でも結構頻繁に使っています」

おそらく海外に出られて日本に帰って戻ってこられて、「日本の良さ」みたいなものにあらためて気づかれたってことですね。

(古性のちさん)「そうですね。外に出ないと、たぶん気づけなかったことかなと思ってます」
四季を表す言葉も、その「あわい」という言葉も、日本独自の文化であると…。

(古性のちさん)「そうですね。やっぱり四季が豊かな日本だからこそ生まれた言葉なのかなと思いますし、もちろん他の国にもちょっと似たような言葉ってあるんですけど、ここまで細分化されてるものっていうのはなかなかないんじゃないかなと思います」

「雨夜の星をさがして」を出版されて、反響はどうですか?


(古性のちさん)「そうですね、すごく喜んでいただいて、私のことを何も知らない方も、本屋さんでこの本に出会って、手に取っていただく機会って増えたので、私自身もすごく嬉しいなと思いながら見ています」


きょうのゲストは、岡山県玉野市と東京、そして世界を拠点に活動を続けるジャンル分け不可能な表現者・古性のちさんでした。どうもありがとうございました。

古性のちさんは新年度、再びタイのチェンマイと玉野市を拠点に、新たな旅に出る予定だということです。