世界を旅する表現者「古性のち」が出版した辞典とは…
日本の四季の美しい言葉たちと写真を集めた「雨夜の星をさがして~美しい日本の四季とことばの辞典~」(玄光社)を出版したジャンル分け不可能な表現者・古性のちさんが注目を集めています。岡山県にある海辺の町・玉野市と東京の2拠点を中心に活動する古性さんに番組で話を聞きました。

「花の雨」…桜が咲く頃に降る雨のこと。または桜の花びらが舞い散る風景を雨にたとえた言葉。

雨雫の粒を纏う桜はまるで口の中でほろりととける、優しく甘い砂糖菓子のよう。

去年11月に出版されたばかりの1冊の本が今注目を集めています。古より紡がれてきた日本の四季の美しい言葉たちを集めた辞典。

宝物のような言葉たちを今につなぐ優しく艶やかな解説に、美しい写真が添えられたジャンル分け不可能な本です。


書いたのは、岡山県玉野市と東京で2拠点生活をする「古性(こしょう)のち」さんです。

幼い頃から日本を飛び出したいという願望に駆られ、2016年、16歳のとき旅に出ました。

タイのチェンマイを拠点に世界30カ国を旅しながら文章を綴り、写真を撮るノマド生活。

ところが、世界はコロナ禍で閉ざされます。

帰国せざるを得なくなったとき、美しい日本の言葉たちに出会い直し、自分自身が救われたことが出版につながったといいます。

過去と未来、国と国との“あわい”を泳ぎまわる古性のちさん。「雨で見えなくても雲の上で変わらず瞬いている星がある」。本の最後はこう締めくくられています。

どうかこの先も、あなたの心に棲む「雨夜の星」を見失いませんように。