大気汚染物質とともに飛来する黄砂
黄砂は、中国のゴビ砂漠などで発生し、偏西風などで東へ運ばれますが、途中、中国の工業地帯や都市部の大気汚染がひどい所を通過する際に、金属粒子のニッケルや鉛など、様々な汚染物質が付着するので、日本に到達したときには黒ずんでいるわけです。
黄砂の人体への影響について調べている聖路加国大学大学院・大西一成准教授によれば、「大気汚染物質が付着した黄砂は健康な人でもアレルギー症状や呼吸器系の疾患をより悪化させる」といいます。

大規模発生した原因今後は…
ところで今回、黄砂が大量発生した原因ですが、中国のメディアは、ゴビ砂漠の周辺で降水量が少なかったこと、さらに気温が例年に比べ高かったため、冬の間に凍っていた砂が早く溶けてしまったことなどをあげていて、地球温暖化の影響も伺えます。
黄砂を研究している鳥取大学・乾燥地研究センター・黒崎泰典教授は、「温暖化が進むと、これまでに経験したことのない大量の黄砂が飛来する可能性もある」と指摘しています。4月16日も西日本で、再び黄砂が飛来する予想です。例年では、6月まで飛びやすい状況が続く可能性もあり、引き続き警戒が必要です。

(「サンデーモーニング」2023年4月16日放送より)














