一見たこ焼きには見えない。どちらかと言えば「ベビーカステラ」のような見た目…。青森県十和田市内で開かれるイベントや行事の際に屋台で販売されている「とわだのたこやき」です。長年十和田市民に愛されながらも、ちまたでは「謎のグルメ」「伝説のグルメ」などと言われている「とわだのたこやき」について取材しました。

■斉藤商店「とわだのたこやき」

「とわだのたこやき」が売られている斉藤商店
レトロで可愛い看板が目印!

「とわだのたこやき」は十和田市内で開かれるイベントや行事に参加・出店している斉藤商店の屋台グルメの1つで、春の時期には「十和田市春まつり」の中央公園緑地にて買うことができます。その見た目は誰もが知っているタコ焼きの姿とは大きく異なります…。

これが「とわだのたこやき」…!
下の生地はつながっています

ポコポコと下の生地から生えてきているようなフォルム!自立しているし、丸くない!ソースはかかっていませんが甘くて香ばしい匂いが食欲をそそります!これぞ「とわだのたこやき」!
早速食べてみると、外はサクッと中はモチモチ。味は焦がし醤油と砂糖のほどよい甘じょっぱさが最高!また、そこに来るタコの触感と香りがマッチしてとてもいいアクセントになっています。

思っている以上にタコのいい香りが口に広がります!

値段は10個入りで600円(取材当時)。アツアツに熱された専用の機械に特製の生地を流し込むと、そこにタコを入れて焼き上げていきます。仕上げに生地に醤油を垂らしてジューッと鉄板で挟んで出来上がり。斉藤商店の店主に話を聞いたところ、おいしさの秘密はやはり特製の「生地」のようで、その作り方は企業秘密ですがタコのほかにアクセントのため、紅ショウガ・キャベツを入れているのだそう。祭りの時期には20~30人ほどの行列もできて、多い時には1000個以上売れる日もあると言います!

手際よくタコを入れて…
じっくりと焼き上げて…
ポコポコポコ…
完成!!

1971年から50年以上屋台として「とわだのたこやき」を販売しているという斉藤商店。その独特なタコ焼きは、大阪に出稼ぎに行っていた知人からタコ焼き機と屋台用の車(現在のキッチンカー)を譲り受けたことから作り始めたそうです。昔は、その移動式の屋台で十和田市内で「とわだのたこやき」を売り回っており、手でちぎって食べることのできる手軽さと、そのおいしさから子供を中心に人気が高まり現在も多くの十和田市民に愛されているようです。

取材時も多くの常連客が買い求めに来ていた「とわだのたこやき」。
「十和田市春まつり」が行われる中央公園緑地では4月10日から露店の営業が始まっていて、本格的に祭りが始まる4月20日から5月5日の時期も同様の場所で営業しています。
早咲きとなった今年の桜。早散りになっても「花より団子」で、ここでしか食べることのできない屋台グルメを楽しんでみるのはいかがでしょうか?