国会では13日から、入管法改正案が審議入りしました。政府の案に対し、「強制送還をしやすくするだけの法案だ」との声も上がっています。

“入管法改正案”審議入り 傍聴した遺族は…

2021年、名古屋入管に収容中、亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんの遺族。4月13日、国会前で行われた抗議活動に参加しました。

遺族の弁護団が公開した監視カメラの映像には…

監視カメラ映像(2021年2月23日) 
ウィシュマさん:私、きょう夜、死ぬ。
入管職員:死ぬ?大丈夫。死なないよ。

監視カメラ映像(2021年3月6日)
入管職員:サンダマリさん!

死亡直前のウィシュマさんの様子が記録されていました。

13日、遺族が向かったのは入管法改正案が審議入りした国会。大きく変わるのが難民認定の手続きです。

現在の法律では、難民認定の申請中は、送還は行われません。しかし、今回の改正案では3回目の申請以降は、強制送還の対象となるのです。この点が問題視され、2021年には野党などの反発を受けて一度、廃案となりました。

政府は内容の一部を修正した上で、今の国会に再提出しましたが、大枠は前回の内容のままです。

立憲民主党 山田勝彦衆院議員
「改正すべきは難民認定の制度改革そのものです。国際基準に合致し、行政府から独立した第三者機関による『難民等保護委員会』を設置すべきではないでしょうか」

斎藤健法務大臣
「入管庁において行うことが適当であり、独立した機関を設置することは考えておりません

遺族側は「強制送還をしやすくするだけの法案」と憤ります。

ウィシュマさんの妹・ワヨミさん
「法案は人間の命を奪うものではなくて、人間の命を奪う法案を通すようだったら意味がない。人間の命を守るような法案を出して欲しい」