北朝鮮の金正恩総書記が「敵がコロナを広げようとしている」として、事実上の国境封鎖を今後も続けるよう指示していることが、JNNが入手した内部文書で分かりました。
記者
「こちら、中朝の国境を流れる川のクルーズツアーですが、以前よりも北朝鮮側に近づくことができるようになっています」
春になり、畑を耕す人の姿が目立つようになった北朝鮮の中国との国境地帯。
記者
「牛を使って畑を耕しているようですね」
新型コロナの感染拡大が始まった2020年以降、北朝鮮は人と物資の往来を厳しく制限、事実上の「鎖国」政策をとっています。しかし、その措置が近く緩和されるのではないかとの観測が出始めています。
クルーズ船でお土産を売る人
「これ(たばこ)は北朝鮮から送られてきた。コロナの時は手に入らなかった」
中朝貿易の拠点、中国の丹東では…
記者
「貨物列車がいま、中国側から北朝鮮へと向かっています」
去年から貨物輸送が部分的に再開していますが、今回、客車も一両、確認できました。客車の運行が始まったことで、近く、物資だけでなく人の往来も再開するのではないかとの見方もあります。
北朝鮮産品を扱う店の店員
「(再開は)5月か6月頃だね」
再開を見越し、帰国する北朝鮮の人向けの土産物店もすでにオープン。北朝鮮側でも貿易関係者の動きが活発化しているといいます。
しかし、今回、私たちが入手した北朝鮮の内部文書からは、厳しい移動制限が今後も続く可能性が浮かび上がりました。
「敵の新型コロナウイルス伝播策動を粉砕する」
先月2日付で承認された北朝鮮の中央非常防疫司令部が作成したとされる文書。金正恩総書記が次のように強調したとしています。
金正恩総書記
「コロナの伝播を防ぐうえで重要なのは、敵が送り込む物に我が国の人が手を触れないようにすることだ。コロナの世界的拡散が完全に消えるまで、現在の封鎖状態を維持しなければならない」
文書では、「敵が我が国にコロナを広げるために策動している」とし、封鎖措置を続けるよう指示しています。
なぜ、人と物の往来を厳しく制限するのか。その理由と思われるのが…
記者
「山の中腹にはスローガンが掲げられています」
「自力更生」。つまり「外国の力に頼らず自国ですべての物事を行う」というスローガン。
コロナは口実で、実際には経済や農業などすべての面で中国などへの依存度を減らし、自国内で完結させる国づくりを目指しているのではとみられています。
往来の兆しが見え始めた中国と北朝鮮の国境ですが、以前の姿が戻るのはまだ先になるのかもしれません。
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