迷惑動画の投稿などで逆風下にある回転ずし業界で、新たな取り組みを始めると、12日、大手回転ずしチェーン「くら寿司」が発表しました。
チェーン店は、500以上ある全国どの店舗でも同じメニューが食べられるのが強みですが、それに加えて各エリアで地域限定の握りずしを提供するというのです。
会場には北海道エリア限定の生ホッキガイや、瀬戸内海のスズキ、沖縄エリア限定の「青くて大きな魚」ナンヨウブダイなどが並んでいました。
「くら寿司」では従来、各地の漁業者から仕入れた天然魚については、一度大阪・貝塚市にある自社センターに集約して加工してから、全国の店舗に流通させてきました。
しかし、物価高などで節約志向が強まる中、各地域でしか獲れない地元の魚をエリア限定で提供することで、メニューを他社と差別化し、集客を図ろうというのです。全国22ブロックにわけて、最寄りの提携加工場でさばき、週に1回程度を数量限定で販売する予定です。
地元の利用者には、季節ごとに獲れた、旬の地魚を楽しめ、その地を訪れた観光客にとっても、地元の魚を楽しめるきっかけになるのではないかと期待しています。
地産地消ならぬ「地魚地食」の戦略です。先細りが懸念される地域の漁業者を支え、外食機運の上昇に乗る事ができるのか、新メニューの展開は15日にはじまります。