カンボジアのリゾートホテルを拠点としていた日本人特殊詐欺グループ19人が機内で逮捕され、羽田空港に到着。都内の警察署に移送されました。「旅行気分で来た人もいる」近年、東南アジアを拠点とする犯行が相次ぐ背景に何があるのでしょうか?
カンボジア拠点詐欺グループ 日本に到着

カンボジアを拠点に特殊詐欺を行っていたとして、日本に向かう飛行機の中で逮捕された25歳~55歳の男19人を乗せた飛行機が、4月11日午後10時すぎ、羽田空港に到着しました。
記者
「特殊詐欺グループの19人が羽田空港から出てきました。捜査員に連れられ続々とバスに乗り込みます」
その後、男たちは都内の警察署に移送されました。

日本時間4月11日午後3時半すぎ、カンボジアの首都・プノンペンにある警察関連施設では、帽子やフードをかぶった男たちが続々と階段を下りる様子が見られました。その後、男たちは現地警察の車両に先導され空港に到着。安全上の理由から、警視庁側が用意したチャーター便に乗り込み、カンボジアを後にしました。
詐欺グループの男たち リゾート地でパーティーも

今回、男たちが特殊詐欺の拠点としていたのは、カンボジア南部の街「シアヌークビル」。近年、中国資本で急速に開発が進み、リゾートホテルやカジノが建ち並んでいます。
記者
「グループが拠点としていたホテルに来ました。真ん中には大きなプールがあり、泳いでいる人もいますが、落ち着いたおしゃれな雰囲気で、まさにリゾートホテルといった感じがします」

ホテルのSNSによると、ビュッフェなどが楽しめるレストランもあり、宿泊費用は1泊1万2000円ほどだといいます。
このホテルを拠点に、都内に住む女性に対し「有料サイトの未払い料金がある」などと嘘を語り、電子マネーをだまし取ったとみられる男たち。その暮らしぶりも徐々に明らかになってきました。
ホテルの従業員
「部屋で何が起きていたのか知りませんが、たまにパーティーを開いて大騒ぎしていました。中にはすごくマッチョな人もいて怖かったです」

2022年12月に撮影された映像では、Tシャツや短パン姿などラフな格好で過ごす様子が映っていました。
男たちを拘束したカンボジア当局の担当者は、普段の様子について―

カンボジア当局の幹部
「彼らを観察していると、旅行気分で来た人もいれば、ホテルに長居している人もいる。ホテル暮らしを満喫しているようでした」
現地メディアによると男たち19人は全員、観光ビザで入国し、中には2年間にわたり滞在していた人もいたということです。
現地の取材を続けるジャーナリストはー

現地を取材したフリージャーナリスト 泰梨沙子さん
「日本に比べるとだいぶ規制が緩い。闇業者みたいなものもありますので、そこから簡単に、自分の身分証明書がなくても、携帯電話を登録することも簡単にできますし、今回は19人でしたけれども、例えばリゾート地なんかで、集団で滞在していたとしてもそこまで不審には思わない」