放置自転車の台数が全国ワーストの名古屋。4月1日から「自転車放置禁止区域」が拡大しました。現状はどうなっているのでしょうか?


ずらりと並んだ自転車。このうち半分以上が、名古屋・栄地区で4月に入ってから撤去された「放置自転車」です。


名古屋市は、今月1日から「自転車等放置禁止区域」を拡大。従来のエリアに加え、久屋大通駅や大須観音駅周辺なども対象となり、駐輪場以外にとめられた自転車は「即時撤去」されます。


(記者リポート)
「今月1日から自転車の放置禁止区域になったエリアなんですが、このようにまだ放置自転車がみられる」


いたるところに注意書きが張られているにも関わらず、有料駐車スペースの横や物陰にも放置自転車が。取材中にも放置していく人の姿がありました…。

名古屋市によりますと、この日も、栄地区だけで113台が撤去されました。

名古屋市はなぜ、このタイミングで放置禁止区域拡大に踏み切ったのでしょうか。

(名古屋市自転車利用課 佐々木崇仁主査)「令和3年度の自転車の全国の一斉調査の中で、名古屋市が放置自転車の台数ワーストになった」

実は名古屋市、市区町村別「自転車放置台数」が2位の大阪市を倍以上上回り、ダントツの全国ワースト。


歩行者の通行を妨げ、景観を損ねる放置自転車…名古屋市は、汚名返上のために区域を大幅に拡大するとともにおよそ6900台分の有料駐輪場も整備しました。

この10日間ほどで街は変わったのでしょうか?

(名古屋市自転車利用課 佐々木崇仁主査)「体感的には放置自転車の台数はかなり減っているかなと感じているまだまだ(放置禁止区域拡大が)認知されていない部分もあるかと思いますので、今後しっかりと広報していきたいと思う」


今回の名古屋市でのエリア拡大の規模は過去遡っても最大。

自転車置きっぱなしの最悪な都市=名古屋のレッテルはなんとかはがさねば…名古屋市を挙げて取り組むべき課題です。

こちらは、放置自転車の多い駅ワースト10ですが、1位こそ大阪市の駅(動物園前)ですが、実に10駅中6つの駅が名古屋市内です。

[放置自転車が多い駅] 国土交通省
1 動物園前(大阪市)967台
2 久屋大通(名古屋市)944台
3 上前津(名古屋市)810台
4 栄(名古屋市)706台
5 梅田(大阪市)651台
6 高岳(名古屋市)549台
7 丸の内(名古屋市)519台
8 大通(札幌市)499台
9 札幌(札幌市)410台
10 矢場町(名古屋市)389台

ちなみに、11位が伏見(名古屋市)です。まさに、不名誉な「一強」です。

名古屋市によりますと、撤去された自転車を取りに来る人の割合は4割強で、残りのうち5割がリサイクル自転車として販売され、あとの1割は使えそうにないため廃棄されるということです。

撤去された自転車を返してもらうには返還手数料3500円が必要ですが、どうか大切に乗って下さい。