シリーズ「現場から、」です。親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる「赤ちゃんポスト」。医療機関では全国で唯一、熊本市の病院が運営する中、東京でも設置の動きが始まっています。
今年2月、熊本市の病院が運用する「赤ちゃんポスト」を東京からの視察団が訪れました。
医療法人・モルゲンロート理事長の小暮裕之さん。医療機関では全国で2番目となる「赤ちゃんポスト」の設置を模索し、去年11月、東京都の小池知事に対し協力を求める要望書も提出しました。
モルゲンロート 小暮裕之理事長
「東京都と少しずつ一緒に頑張ろうという雰囲気が、この数か月で出てきています」
熊本市の慈恵病院が運用する「赤ちゃんポスト」は運用開始からまもなく16年。この間、161人が預け入れられ、遠くは、海外や北海道からも。また、病院に全国から寄せられる相談は年間で数千件に上ります。
公的支援がない中、預け入れや相談に24時間対応するには、人的資源や資金面で大きな負担がかかります。さらに、「育児放棄の助長につながるのではないか」などの否定的な意見もあり、運用するには大きな覚悟が必要です。それでもなお、第二の赤ちゃんポストを作ろうとするのはなぜなのか。
モルゲンロート 小暮裕之理事長
「多くの親子に接してきたからというのは大きいんじゃないかな」
小児科医としてこれまで年間3万人の親子と接してきた小暮さんは、虐待の悲惨な現状も目の当たりにしてきました。
モルゲンロート 小暮裕之理事長
「思いはあっても行動ができていないというジレンマを感じていたんですね。将来、いわゆる赤ちゃんポストで、子どもたちの虐待を減らしたい」
慈恵病院を訪ねたこの日、小暮さんはある男性と面会しました。16年前、「赤ちゃんポスト」に預けられた宮津航一さん(19)です。「赤ちゃんポスト」のいらない社会を望みながらも、現実問題としてその必要性を強く感じています。
宮津航一さん
「なんとか命を守るためにというところの1つの仕組みなので、(東京で)熊本と同じ働きかけが起こるというのを聞いて、とても僕はうれしくて」
小暮さんは、「赤ちゃんポスト」を作ることがゴールではないと話します。
モルゲンロート 小暮裕之理事長
「われわれだけがというのではなく、他のところも、他の病院も、他の先生たちもチャレンジしやすい環境を今回作りたいと思っているんですね」
「赤ちゃんポスト」の運用開始から間もなく16年「小さな命を救う取り組み」は全国に広がるのでしょうか。
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