世界平和統一家庭連合=旧統一教会の創設者・文鮮明氏のおよそ30年前の来日が、当時、自民党副総裁だった金丸信氏の便宜で認められるようになったことが韓国政府保管の文書から明らかになりました。

これは、韓国外務省が公開した外交文書で明らかになったものです。1992年に来日した旧統一教会の創設者・文鮮明氏は本来、アメリカで実刑判決を受けていたため、日本に入国できない状態でした。

入国に至った経緯について、当時、韓国側が非公式に日本の外務省に問い合わせたところ、当初、法務省も文氏の入国を拒否しようとしていたということです。しかし、自民党副総裁だった金丸信氏が身元を「保証」し、外務省側も特に異論を示さなかったため、入国が許可されたということです。

来日した文氏とホテルで2時間面談した金丸氏は「宗教的な話をした。右翼と左翼の接点に世界の平和がある」と記者団に話していたということで、韓国の外交文書からも政界と教団の関係が改めて浮かび上がった格好です。

一方、松野官房長官は会見で、アメリカで実刑判決を受けていた旧統一教会の創設者・文鮮明氏が、1992年3月に日本に入国したことについて、「法務大臣の裁量的な処分である上陸特別許可を受けて上陸が認められたと承知している」と説明し、「当時の法務大臣の判断として適切なものであったと聞いている」との認識を示しました。