誰もが出入りできる場所で起きた今回の事件。

警備会社は、善光寺のような公開された場所特有の警備の難しさを指摘します。


■総合警備保障・西原俊雄(にしはら・としお)長野支社長「誰もが自由に出入りできる。または、色々な方面から入ってこられる方々を、ほとんどが性善説で考えていますので、そのあたりを区切ることができない難しさというのが一番大きいと思いますね」


この会社では、善光寺本堂の警備は請け負っていませんが、寺や神社に特化した警備にも力を入れています。


びんずる尊者像が安置されていたのは本堂に入ってすぐの場所。

多くの人の目に触れます。


■西原支社長 「犯罪者からしても人の目は一番気にするところです。2番目がカメラ。どの方向からでもいいので巡回する重要さであったり、正面にいるだけでも間違いない。犯罪抑止になってくる」


善光寺では、24時間体制で警備員を配置していますが、広い境内を巡回するため、常に本堂にいるわけではありません。


また、犯行はお朝事が終わった、参拝客の少ない時間帯に行われ、防犯カメラの映像から、男は、警備の手薄なタイミングを狙った可能性があります。


■善光寺・林明晋 寺務総長「(男は)長い時間ずっと観察していて、人員が手薄になるところを狙って一人で抱えて持って行ったようであります」


きょう、無事に戻ってきた「びんずる尊者像」。
善光寺では、今後の警備体制を検討していきたいとしています。


■林寺務総長「びんずる尊者様は触ってその場所を治すという信仰がありますので、今後も普通に触れるようにまたこちらの方にご安置したいと考えております」