かぼちゃの電車 と 15本の満開桜

新潟市南区で、昭和生まれの古い電車を彩る満開の桜が時間によって見せる様々な表情。ちょっと年老いた昔懐かしい車両をやさしく見守る桜は、例年より1週間ほど早く開花し、今がまさに見ごろです(2023年4月1日撮影)。

桜に囲まれながらひっそりとたたずむ古い電車と味わいのある駅舎があるのは『旧月潟駅周辺公園』。1999年廃止となった「新潟交通電車線(デンテツ)」の駅です。

1933年に開業した電鉄は、かつての県庁前と県央地域(燕駅)の間を黄色と緑の可愛い車両が結び、その色合いから『かぼちゃ電車』として親しまれてきました。

しかし惜しまれつつも、新潟交通電車線は1999年に全線廃止…。
再整備された月潟駅周辺は、15本のソメイヨシノのある公園として生まれ変わりました。


【花見をしていた子ども】
「電車と合わさっていて、とてもきれいだと思った」


桜の開花時期には『かぼちゃ電車』の車内も公開されています。


【車内放送】「お待たせいたしました。次の停車駅は、東関屋、東関屋です…」


「小学校・中学校と乗っていたので、すごく懐かしく感じてうれしい。桜と電車のマッチがとってもすてきで、ライトアップも見てみたくなりました」

夕暮れが近づくにつれ、公園のおもむきも刻々と変化します。夕日に染まった桜の風景に吸い寄せられるように、続々と花見客が集まってきました。

電車の灯りが灯されると、日中とはまたすっかり違った表情を見せてくれます。

「かわいい!」

車窓から夜桜を眺めると、昔 さっそうと走っていたころの思い出が…。

「祖母と一緒に2人で乗って、新潟の方まで習い事に行ってたことをすごく覚えています」

【かぼちゃ電車保存会 会長平田翼さん】
「桜と電車と一緒に見れる所はなかなかないので、月潟のここにしかない景色を楽しんでいただければ…」

夜桜のライトアップは、4月16日までの毎週土日に行われるということです。