10年間住むと家が貰えます…坂の上の空き家対策
一方、民間ではちょっと変わった取り組みが──

記者:「こんにちは。よろしくお願いします。」
桃田さん:
「場所はですね、ここをずっと登ったところにあります」

坂と120段の階段を上った所にお目当ての物件があります。
車では入ることができませんが、“坂の町 長崎” では よく見る光景です。

明生興産 桃田主任:
「この家がリノベーションをして 賃貸に出すおうちになりますね」

長崎市立山1丁目にあるこの物件。
築60年ほどで、6畳の和室が2部屋とダイニングキッチンなどがあり、これから自社でリノベーションを行います。

実は、すでに明生興産では、別の斜面地の空き家をリノベーションしています。
間取りは3LDKで、月の家賃は2万9千円。
今後も増やす予定だという “斜面地のリノベーション住宅” 最大の特徴が…

桃田さん:
「一言で言うと、10年住むと差し上げますという物件になります」
こちらは “10年間賃貸住宅として住む” と、そのまま賃貸で住むか、土地と建物を貰うか選べる『贈与型賃貸住宅』です。
およそ350万円で土地と建物が手に入る計算です。
『空き家対策』と『マイホームの取得支援』を目的にスタートしました。

桃田さん:
「経済的な理由とかで家が買えない方もいらっしゃるんですよね。
そういう方にとっても10年住んだ後にもらえるっていうところが(安心できる)。
住みたいっていう需要はあるので、長崎市の空き家もどんどん減っていって坂道の活性化にも繋がるし、若い方や自分のマイホームが欲しいっていう方々の要望にも、お応えしていけるんじゃないかなと思います」

人口減少の一因にもなっている長崎の “家賃の高さ”
一朝一夕には解決しない課題ですが、行政と民間が今、できることに取り組み、住みやすい町を目指して動き出しています。