現在も、戦闘機から投下するタイプの核爆弾がNATO加盟国にあわせて100発ほど配備されているといいます。日本でも2022年、核シェアリングについて、安倍元総理大臣が「タブー視することなく議論しなければならない」と主張しましたが、岸田総理大臣は「政府においては認めない」としています。

核軍縮の終わり? 核弾頭増加の予測

こちらは、世界にある核弾頭の数の推移です。冷戦の終結に伴いアメリカとロシアは、「INF中距離核戦力全廃条約」や核弾頭を削減する「START」などでその数を減らしてきました。しかし、2018年にトランプ大統領がINFから離脱を表明。2023年、プーチン大統領が新STARTの履行を停止するなど、逆行する動きが止まらず、核弾頭の数は「今後10年間で増加に転じる」と分析されているんです。

こうした中で、5月には広島でG7サミットが開かれます。岸田総理は、「核保有国と非核保有国の橋渡しをする」と繰り返していますが、G7議長国として「核なき世界」に向けたリーダーシップを発揮することはできるのでしょうか?

(「サンデーモーニング」2023年4月2日放送より)