「最後は、ここで髪を切ると決めていました」
この春、東京に就職する八重山商工3年、吉田龍ノ介(よしだ りゅうのすけ)。髪を切る山本努(やまもと つとむ)さんとは小学生からの付き合い。2人を結びつけたのはサッカーでした。

山本さん「最初なんか龍ノ介めっちゃあれだったもんな、大人の全てを恨んでいる憎んでいる感じの」
龍ノ介「クソガキだったんですよ」
龍ノ介は小さい頃から遅刻の常習犯。小学生で始めたサッカーも当初はやる気なし。でも美容師の傍らサッカーを教えてくれた山本さんの存在が彼の大きな転機となりました。

しかし3年前、吉田龍ノ介は第一志望のサッカーの強豪校に落ち、2次募集で八重山商工に入りました。しかし当時の八重山商工サッカー部は休部状態で…
龍ノ介「この世の終わりみたいな」
山本さん「言葉が全部ネガティブのことしか言わない」
サッカー強豪校出身、山本さんが指導を始めた理由とは

高校時代にサッカーの強豪、群馬の桐生第一でプレーを磨いた山本さん。片親だったこともあり、大学進学をあきらめ美容師になりました。でも9年前、知り合いがいた石垣島への移住を決めたとき、ある決心をしました。
山本さん「広島で美容師をやっていたんですけど朝早く行って夜遅く帰って、何の自由な時間がなかったし、子どもがまだ小さかったので、あとは普通に生活しているだけで楽しくなかったんですよね。一番やりたかったことはサッカーを教えるのが一番やりたかったんで、小学校の頃からずっと」
そこで出会ったのが龍ノ介たちです。当時はお世辞にもうまいとは言えませんでした。
山本さん「サッカー部でこんなに下手くそ?って思ったんですよ、こんなに下手ってある?っていうぐらい。まともにやっていないにしても下手だった。やってないんすよ本当に」
龍ノ介「全然覚えてないです。ドリブルとリフティングがマジひたすらやったなって記憶はありますけど」

山本さんの指導を受けてきたものの、それでも中学時代は、県大会で1・2回戦止まり。第一志望に落ちた龍ノ介は、高校ではサッカーを辞めるつもりでしたが中学時代のサッカー仲間の多くが八重山商工に集まると、山本さんが外部監督に就任し部が復活しました。
山本さん「彼らの青春なので諦めてほしくないのはあったので、もう一緒にやろうぜ見たいな。高校3年間頑張ったらいけるだろうと、信じてないとやっていけないので」