岸田総理が掲げる“異次元”の少子化対策のたたき台が31日、とりまとめられます。中でも「男性の育休取得」は岸田総理が取得率の大幅引き上げを発表したこともあり、中身が注目されています。男性育休取得率100%を達成する企業の工夫を取材しました。

“少子化対策”期待するのは?3月31日に“たたき台”とりまとめ

政府が3月31日に取りまとめる少子化対策のたたき台、子育て世代は一体どの対策に期待を寄せているのでしょうか。
東京・品川区の商店街で話を聞きました。

2児の母親「助かるのは“出産費用”。出産費用がかかると考えたら、なかなか産めない」

1児の父親「“給食費(無償化)”塾とかの学費に回せる」
9歳「お金貯まるしね」

ーーいま習い事は何してるのかな?
9歳「英会話です、充実しています。気分転換もできます」

別の父親は“男性の育休”について…

1児の父親
「取ることはできたが、業務の都合上1日、2日しか取れない。長く(育休が)取りやすいような環境も整備されるべきだと思う」

3月31日に取りまとめられる“異次元の少子化対策”のたたき台。男女ともに育休を取得した場合に、実質的に休業前と同じ手取り額を確保することが盛り込まれる見通しです。

岸田総理(3月17日)
「男性の育休取得率の政府目標を大幅に引き上げて、2025年度に50%・2030年度に85%とします」

“育児は妻に任せっきり”。そんな風潮は変わるのでしょうか。

男性育休“100%”企業 取得率アップの工夫とは

新潟・長岡市にあるサカタ製作所。社員150人ほどの会社ですが、男性社員の育休取得率はなんと100%、2018年から継続中です。

社員の星さんは、第2子が生まれた2年前、40日ほど育休を取得しました。

2児の父 星隼人さん(35)
「育休を取得するのが、もう当たり前の雰囲気。後ろめたさはなかった」

この会社では育休中の収入について、不安を払拭するため個別で給与シミュレーションを提示。

さらに「仕事に穴が空く」問題を解消するため、事前に別の人に、知識やスキルを身につけてもらうなどしているといいます。

2児の父 星隼人さん(35)
「フォロー体制がしっかりできていたので、特に心配もなく育休を取得することができました。おむつの交換は、手早くできるようになったり、そこは“パパ力”が上がったかな」

小川彩佳キャスター:
あらゆる少子化対策も同時進行で進めていかないといけない中で、宮田先生はどんなことに期待されますか?

データサイエンティスト 宮田裕章 慶応大学医学部教授:
学業についての支援も発表されていますが、私は(バブル崩壊後の)就職氷河期世代ですので、大学あるいは大学院への進学が親とか周囲への負担になるといったことを懸念して学ぶことをやめてしまう学生が多かった。学びを止めてしまうと、格差にもつながってしまう。子供たちの学びを支える仕組みを社会全体で作っていくことも必要。