鉄を自在に操るその高い技術で、数々の歴史的な建造物の修復や復元に携わってきた鉄作家。彼が語る鉄の魅力とは。

岩瀬の町を飾る門扉や店の看板。手がけたのは鉄作家・澤田健勝さん。鉄を使って作品を生み出します。

富山県射水市出身の澤田さんは、大学で金属工芸を専攻し、卒業後は山梨県の工房で技術を学びました。

富山に戻ったのは2003年、自身の工房を開き作家活動を始めました。

IRONCHOP(アイアンチョップ)澤田健勝代表
「粘土のように固い鉄を一度柔らかく置き換えて、それで自分の好きな造形が作れるということが鉄の一番の魅力じゃないですかね」

熱した鉄をハンマーでたたいて形作る技法は古くからヨーロッパを中心に発展し、建築、工芸、彫刻の分野にひろがっています。

鉄は1100℃の状態が一番加工しやすく、澤田さんはその瞬間を見極めて鉄を操ります。

工房に併設したギャラリーには多くの作品が並びます。

澤田さんが手がけた歴史的建造物。

皇居乾門(東京都)

皇居坂下門肘壺金具(東京都)

森村橋(静岡県駿東郡小山町)

IRON CHOP 澤田健勝代表:
「ヨーロッパに行くと鍛冶屋が通りを作っている場所があったり密度が濃く鉄が集まっている場所が多いですね私はそういう仕事を目標にしていましてやりたいと思っています」

30年以上の長い時間を鉄と共にしてきた澤田さん。鉄を自分の手と火で自在に操り一見、冷たく見える鉄に温かさと美しさという命を吹き込んでいます。