リニア中央新幹線整備の大きな課題の一つが、トンネル工事で出た残土の置き場の安全確保です。
阿智村は30日、「土砂災害の恐れがある」と指摘されていた計画地で残土を受け入れることを正式に決定しました。


阿智村の村議会が開いたリニア特別委員会の臨時会。

残土の受け入れについて議論が交わされました。

村の北部にある「クララ沢(さわ)」。


JR東海は、この沢のおよそ2.5ヘクタールの範囲に、トンネル工事で出た20万立方メートルの残土を盛る計画を立てています。

しかし、この計画地が、土石流発生の恐れがある「崩壊土砂流出危険地区」にかかっているため、村は、安全性が確認できるまでは残土を受け入れないと主張してきました。

その後、村は、独自に専門家の意見を聞くなど調査を進めた結果、JR東海が示した工事設計は安全と判断。


きょうの村議会特別委員会の臨時会でも承認され、村は「クララ沢」で残土を受け入れることを正式に決定しました。

ただ、条件として、県や専門家と協議し、設計の安全性を再確認すること、置き場の安全管理について村と協定を結ぶことを挙げていて、きょうJR東海側に伝えたということです。


■阿智村・熊谷秀樹(くまがい・ひでき)村長「住民の皆さんと管理のことを一緒になって協議して、決まったからこれで決まりではなくて、協議を塗り替えていくなどしながら住民に寄り添った対応をしていきたい」

村の決定について住民は。


「何があっても(事故などが)起きないようにやってほしい」
「リニアを成功させるにはそういう協力もしなきゃいけない」


JR東海は今後、県や村などと協議を進めながら置き場の造成に着手していきたいとしています。